アジングのルアー選びで迷うことはないでしょうか?
アジングでは各社メーカーから様々な種類のワームやジグが販売されており、どのルアーが釣れるかは実釣してみないと分からないことが多いです。
予め通っている釣り場で釣れるルアーが分かっていれば苦労はありません。
今回は、【アジングルアーの選び方】を『水中灯に蝟集するマアジの餌選択性』という報告を交えご紹介したいと思います。
明日からのアジングのヒントになるかもしれません。
ぜひ、お役立てください。
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アジングで釣れるルアーは予想可能か?
現在アジング用に販売されているルアーには、ワーム・メタルジグ・プラグなど様々なタイプのルアーが販売されています。
ワーム1つにしても、大きさ・カラー・形状などが異なる物があり、種類が無限にあるといっても過言ではありません。
購入する際には、複数種類の中から釣果に繋がりそうなルアーを選ぶ必要がありますが、どのルアーが良く釣れるかは分かりません。
しかし予めアジや海の状況を観察することができれば、ルアーを購入する前にある程度釣れそうなルアーを予測出来るかもしれません。
具体的な方法としては、アジがどのような餌を好んで捕食しているかを見極めることにヒントがありそうです。
アジはどのように餌を選択するのか?
(吉原・福田,1998)によって調査された『水中灯に蝟集するマアジの餌選択性』という報告があります。
「蝟集」と聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、要は水中灯に集まったどの餌をマアジが食べるかについて調べた報告です。
結論を先に簡単に言うと、下記の通りです。
結論:「複数種類のエサが、豊富に存在している場合には、より効率的な捕食活動をする」
効率的とは抽象的な表現になりますが、今回のケースではエネルギー消費を抑えた摂餌が効率的とされています。
具体的には、空腹時は簡単に食べられる小型の餌を食べる。次にお腹が膨れ始めたら、1回の食事で沢山お腹を満たせられる大型の餌だけを狙って食べるという方法が効率的が良い捕食活動とされます。
空腹状態では手軽にお腹を満たせるものを食べ、お腹が満たされた状態には余裕ができて選り好みするといったイメージです。
ただし、「今回の実験はあくまでも飼育環境下であることが前提、自然条件下では状況が異なる」とも述べられています。
アジングで常夜灯を狙う場合に、どの程度効率的な捕食活動をとるのかは改めて考える必要があります。
では、実験の概要を下記の通りご紹介します。
[実験内容]
①実験は湾で飼育されている50尾のアジが対象。生簀に水中灯をつけ、集まった小型生物が餌です。一度絶食させた後、給餌生簀で餌を食べさせます。
②数時間毎にアジの胃の内容物を取り出し、食べた餌の種類・体重比などを算出。
③今回餌となった小型生物はアミ類・ヨコエビ類・シラス類・カイアシ類・エビ幼生・多毛類でした。
(内訳 アミ類 5~15%:ヨコエビ類 5~10%:シラス類 ~10%:カイアシ類 65~75%:エビ幼生 ~5%:多毛類 ~5%)
④摂餌開始2時間までは、アミ類が最も食べられており、カイアシ類・エビ幼生・多毛類の占める割合は小さくありました。
(アミ類 32%:ヨコエビ類 24.7%:シラス 18.6%)
⑤時間が経過するとシラス類を食べる割合が増加、6~7時間経過後には胃内容物の90%以上がシラスになっていました。
⑥生簀内にはカイアシ類が多く存在していましたが、あまり捕食されていませんでした。摂餌開始から時間経過していない場合には、ヨコエビ類・カニ幼生などが食べられる割合が高くなっていました。シラスは時間帯に関係なく、好んで食べられていました。
⑦アジは胃内容物体重比が2%に達するまでは幅広い餌を捕食しましたが、お腹がいっぱいになるとエネルギー消費を抑えるため、大型の生物を捕食する傾向がみられました。いわゆるコスパが良い食べ方です。
⑧実際、生簀内の餌となる小型生物の割合はカイアシ類が65~75%と多く存在していましたが、カイアシ類が食べられることは少なく、大型の餌が好んで食べられていました。
⑨今回はあくまでも複数の餌が豊富に存在する生簀での実験状態であり、自然条件で餌を選べない場合には量的に多いカイアシ類を食べることが多くなると考えられます。
⑩しかし複数の餌が豊富に存在する時には、より効果的な捕食活動をすると考えられます。
※カイアシ類…微小な甲殻類の総称。コぺポーダとも言う。動物プランクトンで最大の割合を占める。
※多毛類…ゴカイなどのこと。
アジは複数種類の餌が豊富に存在する時には、エネルギー消費に考慮したコスパが良い捕食活動をする。
アジングルアーを選ぶ際には?海の観察と多種多様なルアー選びが重要
先程の報告で、アジは複数種類の餌が豊富に存在する時には、コスパが良い捕食活動をすることが分かりました。
実験結果をアジングのルアー選びで活かすとしたら、「海の観察」と「多種多様なルアー選び」が釣れるルアー選びのヒントになるかもしれません。
海の観察
海の観察とは、餌の状況の見極めです。
アジングに行ったフィールドで、複数種類の餌が存在する場合には、まずはそのフィールドで最も多く存在している餌が、アジの捕食対象になる可能性があります。
その次にアジのターゲットになる餌があるとすれば、1度の捕食で多くのエネルギーを得らそうな大型の餌などが該当します。
海の状況、アジが食べている餌を意識することが重要です。
個人的に、釣りでヒットが得られない場合にはルアーサイズを下げがちですが、逆にサイズアップを試してみると、大型の餌だけを狙っている個体から反応を得られて面白いかもしれないと感じました。
また、今回の報告の中には、自然条件で餌を選べない場合には量的に多いものを食べるとも記載されていました。
つまり、そのフィールドに最も多く存在している餌が重要であるということになります。
結局のところ、アジは餌の選択性の有無に関わらず、まずは量的に多い餌を捕食するということになるので、自然界のアジを狙う場合には、海の状況を観察し、一番多く存在している餌を意識したルアー選びが釣果を伸ばすためのカギになるかもしれません。
多種多様なルアー選び
多種多様なルアー選びは、アジの餌の選択性に合わせる対策です。
アジングをしていると小型プランクトンであるアミや、小魚などのベイトが混在するケースが考えられます。
餌の選択性が働いている場合には、同一の大きさ・形状のルアーなどではなく、サイズ・カラー・形状・波動などが異なるルアーを持ち合わせていることが、アジが意識している餌を真似る際に役立つかもしれません。
実際に釣りをしていると、ルアーのサイズ・カラー・アクションで釣果に差が出た経験をしたことがあるように、その時の理由の1つに選択性が働いていると考えられます。
もちろんアジからの反応に差が出た時は餌の選択性以外にも、様々な条件(警戒心・活性状態・ルアーのアピール力など)が関係しているため、残念ながら餌の選択性の実験結果だけが、アジング攻略に絶対的に役立つわけではありません。
しかし、今後アジングをする際には、「アジは効率的に捕食する為に餌を選択する」という知識を持っておくことは、釣果をアップさせる為に知っておいて損がないかもしれません。
ルアー選びの参考項目
・海を観察し、アジが最も食べている餌を意識。
・ルアーは同一種類のものではなく、多種多様なサイズ・カラー・形状・波動のルアーを準備。
壱岐のアジングで実績があるルアーについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
まとめ
今回は、【アジングルアーの選び方】を『水中灯に蝟集するマアジの餌選択性』という報告を交えご紹介しました。
現在は各社メーカーから複数種類のアジングルアーが販売されていますが、釣果が得られるルアーの見極めは悩むポイントになります。
しかし、アジが捕食している餌に注目することで、ルアー選びのヒントが得られるかもしれません。
その参考になる情報として『水中灯に蝟集するマアジの餌選択性』という報告をご紹介しました。
簡単な実験内容のまとめは下記の通りです。
[実験内容]
- 絶食状態のアジに餌となる小型生物(アミ類・ヨコエビ類・シラス類・カイアシ類・エビ幼生・多毛類)を、自由に食べさせ、数時間毎にアジの胃の内容物・体重比を確認。
- 餌量の大まかな内訳 カイアシ類:アミ類+ヨコエビ類+シラス類+エビ幼生+多毛類 =約7割:残り
- 食べ始め2時間は、アミ類を1番捕食。
- 6~7時間後には、胃の中身は90%以上がシラスになっていた。
- アジは胃内容物体重比が2%に達すると、エネルギー消費を抑えるために豊富に、存在する小型の餌ではなく大型の餌を狙った。
結論:「複数種類のエサが、豊富に存在している場合には、より効率的な捕食活動をする」
つまり、アジはコスパが良い食べ方をするという内容でした。
また、当実験報告の中には、自然条件で餌を選べない場合には量的に多いものを食べるとも記載がされているため、自然界のアジは餌の選択性の有無に関わらず、まずは量的に多い餌を捕食する可能性があると考えられます。
今後もしアジングに行く際には、フィールドでどの餌が豊富に存在し、捕食されているかを考えてみると、釣果アップに繋がる選ぶべきルアーが見えてくるかもしれません。
この報告でこれからの釣りがもっと楽しくなれば幸いです。
ぜひ、お試しください。
出典(参考文献)
吉原 喜好・福田 武文. 水中灯に蝟集するマアジの餌選択性. 水産増殖. 1998, 46(4), p.591-592.
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